うさぎの「毛球症(もうきゅうしょう)」は、うさぎの死亡原因ナンバー1である病気です。
毛繕いの際に舐めた毛が「毛玉」として消化管に詰まり、消化や排泄ができなくなり、悪症状があらわれることからこのようなネーミングでしたが、舐めた毛が「毛玉」にならずとも、同様の症状が発生することから「消化管うっ滞」という言葉を使うこともあります。
症状が軽い場合は、投薬による内科治療や生活習慣の改善で治癒することがほとんどです。
我が家のうさぎも、その名の通り「毛球症」による腸閉塞で瀕死状態に陥り、開腹手術を経験。
しかしながら、その後は一度も毛球症(うっ滞)にはならず、11歳まで生き抜きました。
毛球症(うっ滞)は怖い病気ですが、飼い主さんがきちんと予防をすれば、免れることができます。
ということで、毛球症(うっ滞)の原因と症状、実際に受けた手術や手術にかかった費用について、うさぎ大好き目線で解説!いたしましょうね~♪
ボクの武勇伝その1、始まり始まり~
うさぎの毛球症(うっ滞)の原因は?
うさぎさんは、毛繕いをする習性があります。
ストレスに弱い為、気持ちを落ち着かせるために、過剰に毛繕いをすることがあります。
その際に、舐めた毛がおなかに溜まっても嘔吐ができない為、もし排出されない場合、どんどん溜まっていきます。
そうなると、おなかが張ってくるので、食欲がなくなり、さらに腸内でガスが発生し、うんちが出づらくなってきます。
このエンドレスループが、毛球症(うっ滞)の主な原因です。
うさぎの毛球症(うっ滞)の症状は?
上記のような初期の症状が出始めたら、食生活や生活習慣等、対策をするべきです。
緊急性のある症状が出始めたら、即病院へ。
我が家の毛球症(うっ滞)体験談
我が家の体験談をご紹介いたします。
毛球症初期症状ー数珠繋がりのうんち
お迎え当初の我が子は、抱っこが大嫌い!
気配を感じただけですぐ逃げてしまうので、抱っこができず、家でのケアがほとんどできない状態でした。
「ストレスに弱い」
という習性を理解していたので、
嫌がることは絶対にしない!
万が一の非常時に備えて外出に慣らしておきたい!
という想いから、ストレスと非常時の対策のつもりで、月一で出身店へ通い、爪切りとブラッシングをお願いしていました。
2歳位から、換毛期の度に、うんちが数珠状に繋がるようになりました。
明らかに毛を飲み込んでいる証。
その為、換毛期対策としてして「ヘアボールリリーフ」というチューブタイプのサプリを常備して、換毛期には毎日舐めさせていました。
その効果で、毛がうんちとして排泄されているんだから大丈夫!
なんて思い込んでいました。
換毛期でも、ブラッシングは月一回から二回程度。
今思えば、恐ろしい思い込みと習慣です。
うっ滞ー病院に駆け込む
朝起きたら、いつもと明らかに様子がおかしい。
隅にうずくまっていて、顔色なんて分からないけれど、顔色が悪いと感じました。
うんちは出ていない。食べない。飲まない。
口元に大好きなおやつを持っていっても、嫌がる。
完全に食欲がありません。
その日は日曜で、かかりつけの病院はお休み。
急いで調べて、お隣の市の病院が日曜も診察していたので、そちらに連れて行きました。
症状から「うっ滞」と診断。
すぐに開腹手術、ということは大きな負担がかかる為、血液検査とレントゲン、応急処置をして、午後に帰宅。
内科治療で変化がない、もしくは悪化するようであれば、翌日即連れて来てくださいとのこと。
もちろん変化があれば、2,3日様子を見て方向性を相談ということになりました。
帰宅後
帰宅後、指示通りに強制給餌を開始しました。
あんなに抱っこが大嫌いだった我が子が、嫌がる力もありません。
数回に分け、粉状のペレットをリンゴジュースで薄めて、シリンジで食べさせました。
夜半から、更にどんどん悪化していくのが分かります。
救急病院にダメ元で電話をしてみると、処置はできないとのこと。
聞いたことのない、大きな歯ぎしり。
普段は絶対にトイレ以外で用を足さないのに、トイレに戻る体力がないために、カーペットの至る所で、おしっこ。
うんちは相変わらず出ません。
夜通しずっとナデナデしながら、声をかけ、励まし続け、付き添いました。
翌朝再び病院へ
夜が明けるのを待って、タクシーで即病院へ。
その場で緊急入院~手術が決まりました。
体温は、36度へ低下。
瀕死状態での手術でしたので、助からない確率30%と告げられました。
手術が仮に成功しても、麻酔から目を覚ますことのできる体力が残っているかどうか。
インフォームドコンセントとしての説明を受け、同意書に署名し、夕方帰宅。
手術
日中は点滴でしのぎ、20時の閉院後~真夜中にかけての大手術。
深夜2時過ぎにご連絡をいただき、手術が成功したことと、麻酔から目が覚めたことを聞いて、号泣したあの時のことは、今でも忘れません。
想定されていた毛玉は、胃にはなく、小腸にあったとのこと。
胃は、水分で破裂寸前だったそうです。
前日の指示による水分ベースの強制給餌で、胃がパンパンに膨れ上がっていたのだそうです。
小腸には5ミリほどの毛玉が3つ。
「毛球症」による腸閉塞の典型的な症状でした。
手術翌日の決心
手術翌日。
休診日ではありましたが、ご厚意でお見舞いへ。
そこには、耳に点滴をして、ネザー自慢の立ち耳を垂れ下げた我が子がいました。
あまりに痛々しい。でも、絶対焼き付けておこうと思いました。
何故なら、この姿を忘れてはいけないし、繰り返してはいけないから。
私がブラッシングを怠ったせいで、こんな思いをさせてしまった。
私は、嫌がる抱っこをしたくなかっただけだし、嫌がることをしてストレスを与えたくなかっただけ。
でも、こうまでなったのは、飼い主としての責任を果たせなかった、私のせい。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
あんなに憶病で、定期健診や爪切りに行くだけで、一週間、食欲がなくなってしまう程の我が子。
その我が子が、初めてのレントゲンも、血液検査も乗り越えて、点滴や、麻酔もして、メスまで入れて、麻酔から目を覚ましてくれた。
申し訳なさと、罪悪感、後悔でいっぱいでした。
目の前の、頑張って起き上がっている不憫な姿に、涙が止まりませんでした。
しかし、その健気な姿を見て、私は決心したのです。
明日からはお見舞いに行ったら泣くのを止めよう。
そして元気が出るように励まし続けよう。
瀕死状態だったあの晩。
寝ずにナデナデし続けたのは、もちろん、そうしたかったからですが、あんなにまで具合が悪そうなのに、手を近づけると「ナデナデして~!」と私に甘えたからです。
「ママの手は魔法の手なんだ!」
と改めて気づいた私に、今できること。
それは、こんなにも健気な我が子を、とことん励ますこと。
我が子にとって、私はママだから。
つらくて痛くて苦しくても、ママの為に生きることを選んでくれて、頑張っている。
せっかく頑張ったのに、そのママが目の前でずっと泣いていたら?
きっと心配するはずね・・・
だから、今、私がママとしてできる最善のことをしよう。
そう心に決めたのです。
入院中に私がしたこと
そこで私は、入院中の一週間、毎日欠かさずお見舞いに行きました。
そしてその度に励まし続けました。
「もう大丈夫だからね。」
「早くおうちに帰って、大好きなリンゴいっぱい食べようね。」
「頑張ってくれて、ありがとうね。」
笑顔で、感謝とポジティブな言葉を、かけ続けました。
もちろん、自分をあんなに責めたことはありません。
でも、頑張っている我が子に向かって、泣きながら謝罪の言葉をかけ続けることで、我が子は元気になるだろうか?
反省は、自分の心の中で、いくらでも、いつでもできること。
今、私ができること、そして、我が子に望むことは、我が子が元気になること。
ただそれだけに、私のエネルギーの全てを注ぎたかった。
だから、元気になるよう祈り続け、励まし続けたのです。
入院中~退院後
実は、入院中~退院後も、いろいろとありました。
麻酔の副作用か?
はたまた、手術による多大なるストレスか??
原因は、いまだ分かりませんが、入院中、斜頸を勃発。
右側に傾いてしまうのです。
チェックしていただいた結果、恐らく、エンセファリトゾーン(ぶどう膜炎)とのこと。
そして、恐らく、それが原因で視神経をやられてしまい、右目の視力を喪失。
瞳孔が開きっぱなしの状態。
明らかに右目が見えなくなりました。
退院後は、いつもぶつからないところでぶつかってしまいました。
片目生活に慣れるまで、しばらく支障がありました。
その後の経過
退院後も不安定な時が何度もあり、もうダメかもしれないと思いかけた時もありました。
でも、そう思ってしまったら、諦めてしまいそうになる。
だから、一生懸命、自分で自分の心を、強く維持しました。
絶対諦めない。
絶対大丈夫。
絶対回復できる。
そう、信じて、自分にも我が子にも、言い聞かせるかのように励まし続けました。
退院後は、何種類ものお薬を、シリンジで飲ませました。
嫌がらずに、3ヶ月間飲み続けてくれました。
あんなにできなかった抱っこは、いつの間にできるようになっていました。
ネザーの割にはメタボで、1.3kgあった体重が、手術後は1kg弱にまで減りました。
人間で換算したら、1週間で10kg位減ってしまった感じ。
本当によく頑張りました!!
毛球症の治療費用は?
画像準備中
まとめ
うさぎさんの平均寿命は、7~8歳と言われています。
何事もなく生涯を全うできればよいのですが、どんなにケアしていても、避けられない病気があります。
しかし「毛球症(消化管うっ滞)」は、飼い主さんの日頃のケアによって必ず避けることができる病気です。
毛球症対策方法はコチラ
万が一、手術をしなければならない事態にまでなってしまった場合は、反省も必要ですが、もっと必要なのは、飼い主さんの惜しみないケアです。
飼い主さんが、どれだけ寄り添い、ストレスを和らげてあげられるかで、術後の治癒力が高まるか否かが決まってきます。
心を強く持ち、最高最善にサポートしてあげてくださいね。
少しでも長く皆様のうさぎさんが幸せに過ごすことができますように。
ということで、今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました♪